IT日記

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個人で使うクラウド、どれが正解?AWS・Azure・GCP・OCIを徹底比較!


Webサービス開発、機械学習、データ分析、あるいは単に自分のブログを立ち上げたい──。

そんな時、今や欠かせないのが「クラウドサービス」の存在です。

しかし、いざ使おうとすると「AWS、Azure、GCP、OCI…色々あるけど、どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

かつては企業が使うものというイメージだったクラウドですが、今では個人でも気軽に、そして無料で始められるサービスが充実しています。

サーバーを物理的に購入・管理する必要なく、インターネット経由で膨大なITリソースを使えるクラウドは、個人の学習や開発の可能性を無限に広げてくれる強力なツールです。

この記事では、主要な4大クラウドサービスであるAmazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud (GCP)、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) に焦点を当て、個人の利用に特化して徹底的に比較・解説します。

各サービスで何ができるのか、どんな人に向いているのか、そして気になる無料枠や料金、注意点まで。

あなたの「やりたいこと」に最適なクラウドを見つけるための、完全ガイドです。


クラウド大手4社!それぞれの全体像

まずは、今回比較する4つのクラウドサービスが、それぞれどのような立ち位置で、どんな特徴を持っているのかを大まかに見ていきましょう。

AWS (Amazon Web Services)

言わずと知れた、世界シェアNo.1のクラウドサービスです。オンラインストアのAmazonが自社のインフラをサービスとして提供し始めたのが始まりで、その歴史と実績から、圧倒的なサービス数とドキュメントの豊富さを誇ります。個人から大企業まで、あらゆる用途に対応できる「王様」的存在と言えるでしょう。

Microsoft Azure

WindowsやOfficeでおなじみのマイクロソフトが提供するクラウドサービス。Windows ServerやSQL Serverとの親和性が非常に高く、既存のマイクロソフト製品を利用しているユーザーにとっては導入しやすいのが大きな特徴です。近年、急速にシェアを伸ばしており、AWSを猛追しています。

Google Cloud (GCP)

検索エンジンやYouTube、Gmailなど、Googleが自社サービスで培ってきた強力なインフラと最新技術を誰でも利用できるようにしたのがGCPです。特に、ビッグデータ解析や機械学習、コンテナ技術といった分野に強みを持っています。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)

データベースの巨人、オラクルが提供するクラウドサービス。後発ながら、特にコストパフォーマンスの高さで注目を集めています。特に、他のクラウドと比較して非常に寛大な「Always Free(永年無料)」枠を提供しており、個人利用の分野で急速に存在感を増しています。


何ができる?個人利用のユースケース

では、具体的にこれらのクラウドサービスを使って、個人でどのようなことができるのでしょうか。代表的なユースケースをいくつかご紹介します。

  • Webサイト・ブログの公開: 仮想サーバーをレンタルして、WordPressなどのCMSをインストールし、自分だけのブログやポートフォリオサイトを公開できます。
  • Webアプリケーション開発・公開: 自分で作ったWebアプリケーションを、世界中に公開するための実行環境として利用できます。 サーバーのスペックも柔軟に変更できるため、アクセス数の増減にも対応しやすいのが魅力です。
  • 学習・スキルアップ: インフラ構築、プログラミング、データベース、ネットワークなど、ITに関する様々な技術を実際に手を動かしながら学べます。無料枠をうまく活用すれば、コストをかけずに実践的なスキルを身につけることが可能です。
  • データ分析・機械学習: 大量のデータを保存・分析したり、AI(人工知能)を使った画像認識や自然言語処理のモデルを構築・実行したりできます。
  • ゲームサーバーの構築: 友人とマルチプレイを楽しむための、自分たち専用のゲームサーバーを立てることができます。
  • ファイルストレージ・バックアップ: 大切な写真や動画、ドキュメントなどを安全に保管しておくためのオンラインストレージとして活用できます。

これらのことは、一つのサービスだけでなく、複数のサービスを組み合わせることで実現されます。例えば、仮想サーバーでWebサイトを動かし、データベースサービスでデータを管理し、ストレージサービスで画像を保存する、といった具合です。


各クラウドサービス徹底解剖!

ここからは、AWS、Azure、GCP、OCIのそれぞれについて、「どんなことができるか」「どういう人に向いているか」「注意点」を詳しく掘り下げていきます。

AWS (Amazon Web Services)

どんなことができるか

AWSは200以上のサービスを提供しており、個人利用で考えられるほとんどのことが実現可能です。

  • 仮想サーバー (Amazon EC2): 数分でLinuxやWindowsの仮想サーバーを立ち上げ、Webサーバーや開発環境として利用できます。
  • ストレージ (Amazon S3): 高い耐久性を持つオブジェクトストレージで、Webサイトの画像やバックアップファイルの保管に最適です。
  • データベース (Amazon RDS, DynamoDB): MySQLなどのリレーショナルデータベースや、NoSQLデータベースを簡単に構築・管理できます。
  • サーバーレス (AWS Lambda): サーバーの管理を一切気にすることなく、コードを実行できるサービス。 特定のイベント(例:ファイルがアップロードされた時)をトリガーに処理を実行させたい場合に非常に便利です。

どういう人に向いているか

  • クラウドを本格的に学びたい人: シェアNo.1であり、日本語の情報も圧倒的に多いため、学習教材に困ることはありません。
  • 将来的にクラウドエンジニアを目指す人: 多くの企業がAWSを採用しているため、AWSのスキルはキャリアアップに直結します。
  • とにかく豊富なサービスを使いたい人: 「こんなことできないかな?」と思ったことは、大抵AWSのサービスで実現できます。

注意点

  • 料金体系の複雑さ: サービスが多く、それぞれに従量課金制が適用されるため、意図せず料金が高額になる可能性があります。 無料利用枠を超えていないか、料金アラートを設定するなど、コスト管理には細心の注意が必要です。
  • 自由度の高さゆえの難しさ: 非常に多機能で設定項目も多岐にわたるため、初心者には少し難しく感じられるかもしれません。
  • 障害発生時の自己対応: AWS側で大規模な障害が起きない限り、構築したシステムに問題が発生した場合は、原因の特定から復旧まで自分自身で行う必要があります。

Microsoft Azure

どんなことができるか

AzureもAWSに匹敵する豊富なサービスを提供しており、特にMicrosoft製品との連携がスムーズです。

  • 仮想マシン (Azure Virtual Machines): WindowsやLinuxの仮想マシンを素早く展開できます。 Windows Serverとの親和性は抜群です。
  • AI・機械学習 (Azure AI): 専門知識がなくても、音声認識や画像認識、自然言語処理といったAI機能をアプリケーションに組み込めます。
  • 開発者向けサービス (Azure DevOps): アプリケーションの開発からテスト、デプロイまで、開発ライフサイクル全体をサポートするツール群が提供されています。
  • IoT (Azure IoT Hub): センサーなどのIoTデバイスをクラウドに接続し、データの収集や分析を行うための基盤を構築できます。

どういう人に向いているか

  • Windows環境での開発に慣れている人: 普段からWindows PCやVisual Studioを使って開発している人には、非常に馴染みやすい環境です。
  • 学校や職場でMicrosoft 365を使っている人: アカウントの連携などがスムーズで、学習コストを低く抑えられます。
  • AIや機械学習を手軽に試したい人: 比較的簡単にAIサービスを利用できるツールが揃っています。

注意点

  • 情報の探しにくさ: AWSに比べると、日本語の技術情報や個人のブログ記事などが少ない傾向にあり、問題解決に時間がかかることがあります。
  • 独特の用語: Azure独自のサービス名や概念が多いため、他のクラウドサービスに慣れている人でも最初は戸惑うかもしれません。
  • コスト管理の必要性: AWSと同様、従量課金制が基本のため、利用状況を常に把握し、不要なリソースは停止・削除する習慣が重要です。

Google Cloud (GCP)

どんなことができるか

GCPは、Googleの強力なインフラと先進的な技術を活かしたサービスが特徴です。

  • コンテナ技術 (Google Kubernetes Engine, Cloud Run): コンテナ化されたアプリケーションの管理・実行に非常に強く、モダンな開発手法を取り入れたい場合に最適です。特にCloud Runは、コンテナイメージをアップロードするだけで簡単にWebサービスを公開できます。
  • ビッグデータ分析 (BigQuery): ペタバイト級の巨大なデータセットでも、SQLを使って数秒で高速に分析できるデータウェアハウスサービスです。 個人でも大量のログデータ分析などに活用できます。
  • 機械学習 (Vertex AI): Googleが開発した高性能な機械学習モデルを利用したり、独自のモデルを効率的に構築・学習・デプロイしたりできます。
  • サーバーレス (Cloud Functions): イベント駆動でコードを実行できるサーバーレス環境。特定の処理を自動化するのに役立ちます。

どういう人に向いているか

  • データ分析や機械学習に興味がある人: BigQueryやVertex AIなど、この分野で業界をリードする強力なサービスを利用できます。
  • コンテナを使った開発をしたい人: Kubernetesを世界で最初に開発したのがGoogleであり、コンテナ関連サービスの使いやすさには定評があります。
  • Googleのサービスが好きな人: GmailやGoogle Driveなど、普段からGoogleのサービスを使っている人には親しみやすいインターフェースです。

注意点

  • 無料トライアル後の自動課金はないが…: GCPの無料トライアルは、期間が終了しても自動で有料アカウントに移行しないため、意図せぬ課金の心配は少ないです。 しかし、Always Freeの枠を超えてサービスを利用し続けるためには、有料アカウントへのアップグレードが必要です。
  • サービスの選択: GCPも非常に多機能なため、自分の目的に合ったサービスを見つけ出すのに少し学習が必要です。
  • リージョンの制限: Always Freeで利用できる仮想サーバーなどの一部サービスは、特定のリージョン(地域)に限定されている場合があります。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)

どんなことができるか

OCIは後発ながら、特にインフラ(IaaS)領域で高いパフォーマンスとコスト競争力を打ち出しています。

  • 高性能な仮想サーバー (Compute): Always Free枠で提供される仮想サーバーのスペックが非常に高く、他のクラウドサービスを圧倒しています。 ArmベースのAmpere A1インスタンスでは、最大4OCPU・24GBメモリという、無料とは思えないリソースを利用可能です。
  • フルマネージドデータベース (Autonomous Database): パッチ適用やバックアップなどの管理作業をOracleが自動で行ってくれるデータベースサービス。こちらもAlways Freeで2つまで利用できます。
  • 豊富なストレージ: ブロックストレージ、オブジェクトストレージなど、複数のストレージサービスがAlways Freeの対象となっており、合計で最大200GBまで無料で利用できます。

どういう人に向いているか

  • とにかくコストを抑えたい人: Always Free枠が非常に強力なため、個人開発や学習用途であれば、ほとんどのケースで無料で利用し続けることが可能です。
  • 高性能なサーバーを無料で使いたい人: Webアプリケーションやゲームサーバーなど、ある程度のマシンパワーが必要な用途に最適です。
  • 意図しない課金を絶対に避けたい人: OCIは、明示的に有料アカウントにアップグレードしない限り、無料枠を超えて課金されることがありません。 この安心感は個人利用において非常に大きなメリットです。

注意点

  • 情報量の少なさ: 4大クラウドの中では最も歴史が浅いため、日本語のドキュメントやWeb上の情報が限られています。トラブルシューティングで苦労する可能性があります。
  • アカウント作成のハードル: アカウント作成時にクレジットカードの認証でつまずくケースが報告されています。
  • 商用利用の実績: 企業での採用事例はAWSやAzure、GCPに比べるとまだ少ないため、OCIのスキルが直接的に就職・転職に有利に働く場面は限定的かもしれません。しかし、インフラの基礎を学ぶ上では全く問題ありません。

徹底比較!AWS・Azure・GCP・OCIスペック表

各クラウドサービスの特徴、無料利用枠、有料版の費用サンプルを一覧表にまとめました。まずは全体像を掴んでみましょう。

サービス 特徴 無料で利用可能な範囲(主要サービス抜粋) 有料版の費用サンプル(仮想サーバー)
AWS ・業界トップシェアで情報が豊富
・200以上の多岐にわたるサービス
・スタートアップから大企業まで幅広い導入実績
【新規ユーザー向け無料プラン】
・最大6ヶ月または$200のクレジットまで
【常に無料枠】
・Lambda: 100万件/月
・DynamoDB: 25GBストレージ
t4g.nano (2vCPU, 0.5GBメモリ)
約$0.0042/時間
(月額 約$3.02)
Azure ・Microsoft製品との高い親和性
・Windows Serverや.NET環境に強い
・大企業や公共機関での採用が多い
【12ヶ月無料】
・Linux/Windows VM (B1s): 750時間/月
・Azure SQL Database: 250GB
【常に無料】
・Azure Functions: 100万実行/月
【$200クレジット】
・最初の30日間
B1s (1vCPU, 1GBメモリ)
約$0.0116/時間
(月額 約$8.35)
GCP ・データ分析、機械学習、AI分野に強み
・コンテナ技術(Kubernetes)のリーダー
・Googleの強力なネットワークインフラ
【常に無料枠】
・e2-micro VM: 1台/月 (特定リージョン)
・Cloud Storage: 5GB (標準)
・Cloud Functions: 200万実行/月
【$300クレジット】
・最初の90日間
e2-standard-2 (2vCPU, 8GBメモリ)
約$0.0754/時間
(月額 約$54.29)
OCI ・高いコストパフォーマンス
・特にデータベース関連に強み
・非常に強力な永年無料枠
【常に無料枠 (Always Free)】
Ampere A1 VM (ARM): 最大4OCPU・24GBメモリまで
AMD VM (x86): 2台 (各1OCPU, 1GBメモリ)
・Block Storage: 合計200GB
・Autonomous Database: 2インスタンス
VM.Standard.E4.Flex (1OCPU, 16GBメモリ)
約$0.03/時間
(月額 約$21.60)

注意: 費用サンプルは2025年10月時点の米国東部(バージニア北部)リージョンにおけるオンデマンド料金(Linux)の参考値です。vCPU/OCPUの定義や性能は各社で異なります。料金はリージョンや為替レートによって変動するため、必ず公式サイトの料金計算ツールで確認してください。


【最重要】無料利用枠の徹底解剖

クラウドを個人で使い始める上で最も気になるのが「どこまで無料で使えるのか」という点でしょう。ここでは各社の無料枠を詳しく見ていきます。

AWS: 2025年7月に刷新された新無料プラン

AWSの無料枠は、2025年7月15日に大きく変更されました。 これまでの「12ヶ月無料」という考え方から、新規ユーザー向けにはクレジットベースの新しい無料プランが導入されています。

  • 新規ユーザー向け無料プラン:

    • アカウント作成時に$100、特定の学習アクティビティ完了で追加$100、合計で最大$200のクレジットが付与されます。
    • このクレジットは最大6ヶ月間有効で、期間内またはクレジットを使い切るまで、様々な有料サービスを試すことができます。
    • このプランの利点は、意図せず無料枠を超えて課金される心配がないことです。
  • 常に無料 (Always Free) 枠:

    • アカウントの有効期間に関わらず、毎月一定量まで無料で利用できるサービスです。
    • AWS Lambda: 100万リクエスト/月
    • Amazon DynamoDB (NoSQL DB): 25GBのストレージ
    • Amazon SNS (プッシュ通知): 100万件の発行

学習目的で短期間に集中して様々なサービスを触ってみたいというニーズには、新しいクレジットベースのプランが非常に有効です。

Azure: 3段構えの柔軟な無料枠

Azureは3種類の無料枠を組み合わせて提供しており、幅広いニーズに対応しています。

  1. 最初の30日間有効な$200のクレジット:

    • サインアップから30日間、ほぼ全てのAzureサービスを試すことができるクレジットです。 短期集中型の学習や性能検証に最適です。
  2. 12ヶ月間無料の人気サービス:

    • アカウント作成から1年間、主要なサービスを一定量まで無料で利用できます。
    • Virtual Machines: Linux/Windows (B1sインスタンス) を750時間/月。これは1台を1ヶ月間常時稼働できる時間に相当します。
    • Azure SQL Database: 250GBのストレージを持つデータベース。
    • Azure Blob Storage: 5GBのストレージ。
  3. 常に無料 (Always Free) のサービス:

    • 40以上のサービスが、期間の制限なく毎月一定量まで無料です。
    • Azure Functions (サーバーレス): 100万回実行/月。
    • Azure App Service: 10個のWeb、モバイル、またはAPIアプリ。

バランスの取れた無料枠で、短期の学習から1年間の長期的なプロジェクトまで対応できるのがAzureの強みです。

GCP: シンプルかつパワフルな「常に無料枠」

GCPの無料枠は、主に「常に無料枠」と新規ユーザー向けの「$300無料クレジット」で構成されています。

  • 常に無料枠 (Always Free Tier):

    • 特筆すべきは、仮想サーバー「Compute Engine」のe2-microインスタンスが毎月1台分、無料で利用できる点です(米国の一部リージョンに限る)。 常時稼働の超小規模サーバーとして活用できます。
    • Cloud Storage: 5GBの標準ストレージ。
    • Cloud Functions: 200万回の呼び出し/月。
    • BigQuery: 毎月1TBまでのクエリと10GBのストレージが無料。
  • 90日間有効な$300の無料クレジット:

    • 新規ユーザーは、90日間有効な$300のクレジットを受け取ることができ、これを使ってGCPのほぼ全てのサービスを自由に試せます。

データ分析基盤のBigQueryを無料で試せる点は、データサイエンスに興味がある人にとって大きなメリットです。

OCI: 個人利用のゲームチェンジャー「Always Free」

OCIの無料枠は、他社と比較して突出して魅力的です。 その中心となるのが「Always Free(永年無料)」です。

  • Always Free Compute (仮想サーバー):
    • Ampere A1 Compute (ARM): 最大4 OCPUと24GBメモリを自由に割り当ててVMを作成可能。例えば「4 OCPU/24GBメモリのVM 1台」や「1 OCPU/6GBメモリのVM 4台」といった構成が永年無料です。
    • AMDベースのVM (x86): 1/8 OCPUと1GBメモリを持つ「VM.Standard.E2.1.Micro」インスタンスを2台まで永年無料で利用できます。
  • Always Free Storage:
    • ブロックボリューム: 合計200GBまで無料。
    • オブジェクトストレージ: 20GBまで無料。
  • Always Free Database:
    • Autonomous Database: Oracleの高性能データベースを2インスタンスまで無料で利用可能。
  • その他:
    • ロードバランサーやネットワーク帯域(下り10TB/月)なども無料で提供されます。

この内容は、もはや「お試し」のレベルを超えており、本格的な個人開発や小規模サービスの公開基盤として十分に活用できます。コストをかけずに常時稼働のサーバー環境を手に入れたいなら、OCIが最有力候補となるでしょう。



有料版の料金を比較してみよう!

無料枠を超えた場合や、より高性能なスペックが必要になった場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、個人利用でよく使われるであろう仮想サーバー(VM)の料金を、できるだけ条件を揃えて比較してみます。

比較条件: * リージョン: 米国東部(バージニア北部) * OS: Linux * 課金形態: オンデマンド(従量課金) * スペック: 各社で提供されている、2vCPU / 4GBメモリに相当するインスタンス

サービス インスタンス名 スペック 時間単価 (USD) 1ヶ月(730h)換算 (USD) 1ヶ月換算 (JPY) ※
AWS t3.medium 2 vCPU / 4 GB ~$0.0416 ~$30.37 ~4,555円
Azure B2ms 2 vCPU / 8 GB ~$0.0832 ~$60.74 ~9,111円
GCP e2-standard-2 2 vCPU / 8 GB ~$0.0754 ~$55.04 ~8,256円
OCI VM.Standard3.Flex 2 OCPU / 4 GB ~$0.052 ~$37.96 ~5,694円

※ 1ドル=150円で換算。料金は2025年10月時点の概算です。AzureとGCPは4GBメモリの直接的な選択肢がなかったため、8GBメモリのインスタンスを選択しています。各社のvCPU/OCPUの定義や性能は異なるため、あくまで目安としてください。

この比較では、単純なスペックに対する価格ではAWSやOCIに優位性があるように見えます。 AzureとGCPはメモリ量が多いため価格も上がっていますが、GCPには長期間インスタンスを継続して利用すると自動的に割引が適用される「継続利用割引」といった制度もあります。

料金を比較する際のポイント: * 料金計算ツールを活用する: 各社とも公式サイトに詳細な料金計算ツールを用意しています。 実際に利用したい構成を入力して、正確な見積もりを取りましょう。 * データ転送量に注意: クラウドからインターネットへのデータ転送(下り)には料金がかかるのが一般的です。 大量のデータを配信するサービスを考えている場合は、このコストも考慮に入れる必要があります。OCIはこの点でも月10TBまで無料と優れています。 * 割引プランを検討する: 長期的に利用する場合は、1年や3年の利用を約束することで大幅な割引が受けられる「リザーブドインスタンス」や「Savings Plans」といった購入オプションも検討しましょう。


結論:あなたに最適なクラウドは?

これまで見てきた情報を元に、どのような人にどのクラウドサービスがおすすめかをまとめます。

  • クラウドの基礎から応用まで体系的に学び、キャリアに繋げたいなら → AWS

    • 圧倒的な情報量とコミュニティ、そして転職市場での評価の高さが魅力です。クラウドの「標準語」を学ぶなら、まずはAWSから始めるのが王道と言えるでしょう。
  • Windowsでの開発がメインで、手軽にAI機能などを試してみたいなら → Azure

    • 使い慣れた環境でスムーズにクラウド開発に移行できます。Microsoft Learnなどの公式学習コンテンツも充実しています。
  • 最新のWeb技術やデータサイエンスに挑戦したいなら → GCP

    • コンテナ技術やビッグデータ解析といった分野で最先端のサービスに触れることができます。モダンなアプリケーション開発を目指すクリエイターにおすすめです。
  • とにかくコストを気にせず、自由にサーバーを構築して遊びたいなら → OCI

    • 個人利用において、OCIのAlways Free枠はまさに「最強」です。 意図しない課金のリスクがないため、安心して様々なことに挑戦できます。インフラの学習や個人プロジェクトのサーバーとして、これ以上ない選択肢です。

もちろん、これはあくまで一つの指針です。クラウドの面白いところは、複数のサービスを組み合わせて利用できる点にもあります。「WebサーバーはOCIの無料枠で動かし、データ分析はGCPのBigQueryを使う」といったハイブリッドな構成も可能です。

まずは各サービスの無料枠に登録して、実際に管理画面を触ってみることをお勧めします。百聞は一見に如かず。この記事が、あなたのクラウドジャーニーの第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

以上、生成AIに調べてもらいましたが、仮想サーバリソースの無料枠が飛び抜けて良心的なOCIがやっぱり気になりますね。

実際のところ月間稼働時間の制限や、遅延時間の少ない国内リージョン(国内データセンター)だと利用者がいっぱいで使いたくても使えないみたいなネット情報も見かけます。

何とかサーバ確保して、AIエージェントn8nのセルフホスト版とか頑張って動かしてみたいですが。

あと、無料サーバの話はOCIについてはちらほら聞きますが、GCPにもあるんですね。

機会があれば試してみたいです。